第4章 小型油タンカーの船殻設計の実例
(小型油タンカーの構造基準による)
4.1 一般事項(折込の一般配置図参照)
総トン数100トン未満で、320klの精製石油を輸送することのできる鋼製クリーンタンカーの船殻設計の実例について、以下に説明を加えよう。
本船は平水航行のA種船(引火点が65℃以下の油類を運送するタンカーをいう。小油−102参照)*で、一層甲板型、後部機関船で主要目等は以下のとおりである。
全長 約31.23m
長(垂線間) 29.50m
幅(型) 7.00m
深(型) 2.40m
計画満載喫水(型) 2.20m
総トン数 約99トン
主機関 230PS
航海速力 約8ノット
乗組員 4名
※小型油タンカーの構造基準の条文
船内配置は前方から順に、船首倉庫、No.1バラストタンク、No.1貨油タンク(長4m、容量68kl)、No.2貨油タンク(長7m、容量128kl)、No.3貨油タンク(長7m、容量124kl)、ポンプ室およびFOタンク、機関室、No.2バラストタンク及び居住区、船尾水倉となっており上甲板上に操舵室、エンジンケーシング、および居室頂部甲板がある。船体構造は単底、横肋骨構造(普通フレームと、深さが2倍の減トン用深フレームを交互に配置し、貨油タンク内に合計5個のウェブフレームを有する)である。
船体の区画については、(小油−103)に規定されているが、本船は平水用であるので、貨油タンク内の縦通隔壁は油密とする必要はない。油タンクの長さはいずれも規定の9.3m以下であるので特別の対策は必要としない。
船首楼については、(小油−104)に規定されているが、本船は平水用であるので、船首に150mmのシャーをつけたのみで、船首楼を設けていない。(小油−104−?B)
ポンプ室は第3貨油タンクと機関室の間に設け、ここに貨物油ポンプを設置する。ポンプ室は居室、機関室などとは鋼製ガス蜜の隔壁で仕切り(小油−108)、ポンプ室への出入口は上甲板に直接設ける。(小油−108?A)またこの出入口はハッチ形式とし、平水区域に規定され
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